【赤にすべきか、緑にすべきか、それが問題だ】

【赤にすべきか、緑にすべきか、それが問題だ】






今から24年前の1996年2月27日は、初代ポケットモンスター「赤・緑」が発売された日です。

いまだに人気のポケモンですが、ここから伝説が始まりました。

 ゲーム内容は、主人公が「ポケモン」と呼ばれる生き物を戦わせ、育成しながら、ストーリーにそって各地を渡り歩きます

 そして各地に散らばる全種類のポケモンを収集し、ポケモン図鑑を完成させるのが、このゲームの目的です。

当時、通信ケーブルを使ったポケモン交換は、「ゲームボーイ」という携帯ゲーム機にばっちりハマりました。

 ただ当時の子供たちを悩ませたのは「赤」「緑」の2種類のカートリッジが存在していたことです。

登場するポケモンの種類や出現率は、『赤』と『緑』で微妙に異なっています。

 当時、小学生だった僕も、赤と緑の両方を買うわけにはいかないので、どちらを買うべきか、すごく悩んだのを覚えています。

さらに最初にパートナーとなる1匹をヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメの3匹の中から選ばなければなりません。

このようにポケモンを通じて、

「選択をする」ということを学びました。

かの有名なイギリスの劇作家シェイクスピアも『ハムレット』のなかでも

『Life is a series of choices.(人生は選択の連続である)』

という名言を残していますが

私たちは人生の大事な分岐点で

進学、仕事、結婚とたくさんの選択をしています

その中でも私たち男子部は

どのような仕事をするか、

ということが1番の関心事だと思います

小説 人間革命8巻の中で、戸田先生はその選択の判断の1つの基準として、

「美、利、善」という価値論を提唱されていますのでご紹介します。




人間革命8巻より

すると一人の学生が、ぜひとも指導を願いたいと言いだした。

彼は、理科系の学生で、来年春の卒業を考え、そろそろ職業の選択に迷っていたのである。

 「大学で専攻した学科を、そのまま生かす職業分野に進みたいのですが、多くの先輩の例を見ると、必ずしも、そうなっておりません。

どこに就職するかで、まず一生が決まるような気がしますが、希望通りの職業でなくても就職すべきでしょうか」

 「職業選択の基準だね。それは価値だ」

 戸田は、明快にこう言うと、青年の生涯を支配する職業の問題を、つぶさに説いた。

 「牧口先生は、よくこう言われた。

 『好き嫌いにとらわれて、損得を忘れるのは愚である。損得にとらわれて、善悪を無視するのは悪である』

 全く、この通りで、『好き(美)であり、得(利)であり、善である仕事』に就くのが、誰にとっても理想です。

しかし、実社会は、残念ながら君たちが考えるほど甘くない。

希望通り、理想的な職業に就く人は、極めて少ないだろう。

思いもかけなかったような仕事を、やらなければならない場合の方が多い。


 さて、そこでどうすべきかが問題となってくる。私に言わせれば、こういう時、青年は、決してへこたれてはいけないということだ。

いかにしても、当面の仕事をやりきり、大いに研究し、努力すべきだと私は思う。

 君たちには、もはや御本尊という最大の生命力を出す根本法がある。

いやな仕事から逃げないで、御本尊に祈りながら努力していくうちに、必ず最後には、自分にとって好きであり、得であり、しかも社会に大きな善をもたらす仕事に到着するだろう。

それまでのさまざまな道草は、この時、全部、貴重な体験として生きてくるんです。信心即生活、社会であり、これが仏法の力なんだよ。

 君たちは、まだ気づかないかもしれないが、それぞれ偉大な使命をもって地球上に生を受けたんです。

将来は、おのおのの立場で第一人者になるはずだ。

若いうちは、むしろ苦しんで、さまざまな体験をし、視野の広い実力を養うことが大切だね。

 心配することはない。青年は、あくまで信心を深めようと挑戦していきなさい。

将来、大成するか否かは、信心即生活の原理からいって、結局、当面の仕事を真剣にやりきれるか、どうかにかかっている。

勇気のない者は、青年として、既に失格者です」

 「はい、わかるような気がします」

 就職戦線に怯えている学生は、この時、確かな希望と勇気を得たにちがいない。

 このように、法華経研究会は、月に一度か二度開かれ、目を見張る充実した講義と指導とを吸収して、学生たちは徐々に育っていった I